« ブックマークの登録の試行(カテゴリ作成) | トップページ | links for 2009-07-06 »

モスキート着信音のなぞ

たいした話じゃないんだけれど。

昨日のこと。

某小児科診療所にて

小学校高学年の男の子が診察室に入ってきた。

部屋の中には、彼と、ほかには、つきそいの母親と僕(医師)だけ。
と、突然、彼はなんとなくモジモジしはじめる。視線の先には、彼の手に持った携帯電話。
携帯電話を見ながら、こっちの様子を伺う。

なんとなく不自然だけれど、忙しい外来でのこと。
当然スルー。

同じ日の待合室で、別の中学生の男の子。携帯電話をいじっている。どこがというわけではないのだけれど、動作がなんとなく不自然。

その中学生が入ってきた。
診察する。ただの風邪だ。
その旨、説明している途中に、いきなり、何かに反応してビクッとする。
視線の先には、さっきからいじっていた携帯電話。

気になって、聞いてみる。
僕:「そのケータイ、どうしたの?」

彼:「えぇぇ。これですか。。いや、な、何もないですよ。」

僕:「。。。」

彼:「。。。」

数秒の沈黙。

彼:「あの、もしかして。。」
僕:「うん?」
彼:「聞こえるんですか?」
僕:「なにが?」

彼:「。。。」

僕:「。。。」

また、数秒の沈黙。
観念したように、話し始める。

彼:「これの着信音、モスキート音なんすよ。」
僕:「え?」

彼:「あの、大人には、聞こえないやつです。」
僕:「うん。僕には聞こえないけれど、今電話が鳴ってたのね?」
彼:「はい。メールですけど。」
僕:「友達からなのね?」
彼:「。。はい。学校のやつからのメールは、モスキートにしてるんです。」
僕:「どこで、手に入れるの?そんな着メロ。」
彼:「ダウンロード。ネットで。」

ふーん、そうか、モスキート音か。。。
ふと思いついて、聞いてみる。

僕:「ね、それ、授業中に、その音で、メールやりとりするんでしょ?」
彼:「えぇっ!」

彼:「。。。はい。そうです。」

僕:「学校の先生は、気づかない?」

彼:「。。。 はい。聞こえないみたいですから。」

彼:「でも、テストとかの時には、モスキート、使わないようにしてるんです。カンニングとか、よくないし。」

僕:「授業中のメールも、よくないと思うよ。」

彼:「はい。」

彼:「あの、先生は、これ、聞こえるんですか?」

僕:「聞こえないよ。僕だって、もう30台の後半だもの。」

彼:「じゃ、どうして、わかったんですか?」

僕:「あ?しぐさだよ。キミの。」

彼:「しぐさ、ですか。」

僕:「うん。」

僕は、ニヤニヤ笑いながら、続ける。

隠し事しているつもりかもしれないけれど、しぐさが不自然なんだよ。
キミは、大人の前でポーカーフェイスを気取るなんて、まだ早いってことだな。

もうすこし、人生経験をつんだら、ポーカーフェイス、できるようになるよ。
その代わり、モスキート音も、聞こえなくなると思うけどね。

|

« ブックマークの登録の試行(カテゴリ作成) | トップページ | links for 2009-07-06 »

なぞ」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/1238660/30357530

この記事へのトラックバック一覧です: モスキート着信音のなぞ:

« ブックマークの登録の試行(カテゴリ作成) | トップページ | links for 2009-07-06 »