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主観的医療

ブログを使った一人ブレスト、2回目
アイデアを出したり、まとめたりするために、ブログのオーサリングツールを使って書き出してみる。
ローカルのワープロソフトでやってもいいのだけれど、どのPCからでも自由に読んだり、追加を書けるので便利。
google docみたいなツールでも、同じことが出来るけれども、こっちのほうが軽快。

そういう意味では、ブレスト用のブログツールとして、マインドマップを書いたり、いろんな図表を書いたり、もっと簡単に出来るとうれしいのだけれど。
適切なツールが見つからない。

さて、本題。
主観的医療について。

最近、健診の結果を評価する仕事が多くて、やっぱり同じような仕事を抱えている同僚たちと話していて、いつも出てくる話題。
よくいわれることなんだけれど、健診っていうのは、経済的には見合わないんじゃないかというお話。
理由は、健診で、「病気」が見つかる場合には、ほぼ間違いなく、「自覚症状」がすでにあるから。例外は、最近流行の、いわゆる「メタボリック・シンドローム」なんだけれど、これにしたって、「自覚症状」は、すでにあるといってもいい。肥満を自覚してない肥満はほとんどいない。
であれば、健診なんて、自分で「症状」がある人だけに受けてもらえればいいんじゃないの?
というのが毎度の話題。

案外、自分の感覚っていうのは、体調を測定するためのセンサーとしてすぐれているのだと思う。

しばしば聞く話。
どこかが「痛い」とか「調子が悪い」なんて思って、病院にいって、でも、「検査した範囲では異常は見つかりませんでした。」なんていわれて帰宅して。
それから、しばらくたってから、やっぱり、どこか、悪いところが見つかって、病院にクレームを言いにくる患者がいる。

ありとあらゆる可能性を検査で網羅することなんてできないから、そんなこと言われたって仕方のない部分も覆いのだけれど、でも、こういう話は、「自覚症状」のスクリーニング能力の高さを示しているともいえると思う。たぶん、現時点で、一般病院レベルでできる、多くの検査よりも、「自覚症状」は、病態の敏感な評価指標だと思う。

政府からは、長くにわたってコストを削減することを求められ、いろんな検査も保険の制約上、できないことも多くなってきているのだけれど、案外、「自覚症状」を中心に駆動する症状ドリブンなやり方はうまくいくのではないかと思う。

そういうわけで、以下、箇条書き

  • もし、自覚症状を中心に治療法を決定していくならば、「診断」を行わず、それぞれの「症状」に対して、対応する「病名」と「治療法」が存在することになる。たとえば、「発熱していたら、解熱剤と抗生剤を必ず投与する」といった風に。これは、小さな診療所とか救急現場では、頻繁に行われているやり方。この方法を、現在のガイドラインに代わって公式採用するならば、ほぼすべての患者に「診断」がつくことになる。また、ほぼ、「誤診」がなくなることになる。
  • たしかBMJだったと思うのだけれど、漢方がどうして効くのか?っていう話について、面白い話が載っていた。どうも「診断」がつくことが治癒しやすくするのではないかという仮説を支持するようなデータが出ているよう。現代医学で「診断」できるのは、患者のうち、6~7割程度でしかない。つまり、病院で、症状の原因を「科学的」に判断できるものがその程度しかないということなのだけれど、漢方では、9割以上が、何がしかの「診断」ができる。その「診断」が科学的に意味があるものなのかは別にして、自分の症状に対する、何がしかの「解釈モデル」が提示されることが、症状改善を促進するとのこと。たとえ、それが、非科学的な陰陽五行説であったとしても、である。うーむ。
  • プラシーボ効果ってのはそれ自体の大きさを測定するのは困難だし、通常、科学的な研究ではコントロール群での治癒例を説明するためだけにしか使われない概念だけれど、時々プラシーボ効果自体の大きさを測ろうとする研究がある。で、そういう研究では昔からある程度わかっていることではあるけれど、プラシーボ効果ってのは、「本人がその薬を信じているかどうか」は、あまり関係がないらしい。 その一方で、「キツツキのくちばしを触ると虫歯が治る」という治療法がアボリジニの社会では有効であるように、特定の未開社会でのみプラシーボ効果を発揮する治療法があることも知られている。 ということは、人間は「みんなが信じているような治療法」を受けた場合、それだけで症状が改善してしまうということなのだろう。人間は、社会的動物なのだ。
  • 症状ドリブンなやりかたは、症状を見た瞬間に治療を始めてしまうから、治療効果を測定するアウトカムとして、症状がなくなるかどうか、しか見ることが出来ない。結果として、患者満足度が高くなるかもしれない。
  • おそらく、症状については、医師よりもその病気の患者のほうがよく知っている。したがって症状ドリブン医学は、研究インフラとして患者が症状について語ったデータベースのようなものを使ったほうが効率がいいのだとおもう。たとえば闘病記ブログサイトとか患者SNSのようなものからデータマイニングするのが、未来の医学研究かもしれない。

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