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ドラッグラグの本当の原因とその対策

最近、製薬畑の友人と、薬学部の学生と、3人で食事しながら話したこと。
ドラッグラグ。

ドラッグラグってのは、あれ、海外、たとえばアメリカで使える新薬が、日本では、使えるようになるまでに時間がかかるという問題。
この原因、薬学の学生だとかでも、あんまりよく知らない人が多いらしい。

よく、「ドラッグラグが起こるのは、日本の役所の規制が厳しいから」っていう報道がなされるんだけれど、そんなの、ほとんど関係ないのだ。
実は、日本の役所は、新しい薬の認可に関しては、欧米よりも「ゆるい」印象があるというのは、かの製薬の友人談。
規制も「ゆるい」らしい。僕には、そのあたりの現場感覚は分からないけれど、そんなもんかな、とは思う。

じゃあ、なんで、新しい薬が売られないのか?

役所が規制しているというより、製薬会社が日本では薬を売りたがらないということらしい。

それは、日本では、新しい薬が高く売れないから。

日本では、薬代が高いと、社会的に非難を受けやすい。

貧乏でかわいそうな病気の人にそんな高いお金を請求するなんて、それで彼が薬を買えないなんてかわいそうだ。ってわけ。

ある病気の人がいて、その人の病気を治すためにある薬が必要だとする。で、その治療のための薬が非常に高価だとする。その病気の人は経済的に苦しいせいで、高価な薬を買えない。そういうとき、日本のマスコミは上のような論調になる。

そういう国では、役所は、薬の値段を抑えるように指導せざるを得ない。日本は民主主義だからね。

だから、海外の製薬会社は、日本では、新しい薬を売らない。

日本で安く売ると、他国、たとえばアメリカでも安く売らなくちゃいけなくなるもの。
もちろん、日本で安く売って、アメリカで高い価格設定をするなんていうのも、アメリカの患者が納得できる根拠を示せるなら、問題ない。
たとえば、もし、これが日本でなくてアジアやアフリカの後進国なら、かの国はアメリカに比べて貧しいから仕方が無いという話も通用するかもしれない。

でも、日本では、無理だろうね。

だから、海外の製薬会社は、日本では薬を売りたがらない。

マイケルムーアの「シッコ」で、病気のアメリカ人が、アメリカでは数百ドルする薬が、キューバでもイギリスでも、1ドル以下だということで、ショックを受けていた。

アメリカでは、製薬会社は法外に儲けている。それをあの映画は非難していたけれど、そういう状況は、世界中の製薬会社があの国で新しい、いい薬を売りたいと思う状況を作り出してもいる。

残念ながら、日本で新薬を売りたいと思う製薬会社は、減り続けている。 多くの会社の日本法人は、縮小の一途。

そして、それは、日本以外でも、アメリカ以外のほとんどの国の現実でもある。日本は、実は、国際的にはマシなほうでもあるのだ。

たぶん、僕たちは、次の3つのうちのどれかを受け入れなくてはならない。

1、(アメリカ式)貧乏人は、最新の治療を受けることはできない。もし、最新の治療を受けたければ、家族や親戚を巻き込んで経済的に破たんせざるを得ない。

2、(日本式)新しい薬の恩恵は、我々の国では受けることはできない。

3、貧困層に薬代を払わせず、かつ、製薬会社を儲けさせるため、政府が薬代を代替する。(治療費を代替する目的で)科学技術の進歩に伴って、増税を受け入れなくてないけない。つまり、新しい薬が作られるたびに、消費税が引き上げられる。

僕自身は、最近、新しい薬は少なくなっているし、新薬の恩恵はいらなくなってきているんじゃないかと思う。それは、以前のブログで書いたとおり。

みなさま、どうおもいます?

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