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医師の労働の供給曲線は、右下がり?

ここしばらくの医者の労働時間に関する統計とか、転職サイトに書いてある医者の給与の相場の変化をみて。

1、医者の労働に対する需要は極めて価格弾力性が低く、需要曲線はほぼ垂直になる。

2、供給曲線は右下がりになる(多分、医師の昇給は給与の限界効用を下げ、相対的な余暇の価値を引き上げる)

この2つが起こっている可能性が高い。

1、は、価格弾力性の低い商品一般に見られる現象。しかし、2、は、労働の供給で起こるのは若干イレギュラーだと思う。でも、たしかに、僕自身、医師不足を背景として、労働時間あたりの給与を大幅に引き上げる転職を実現した。また、交渉力が上がった結果もあり、多すぎる当直や残業を拒否するようにもなった。つまり、交渉力があがり、時間当たり給与が上がった結果、かえって労働時間が短縮している。

僕以外にも多くの医者が、これに近い経験をしている。たぶん、これまでよりも少なく働いても十分な給与を得られるようになった医師たちが、余暇に目を向けるようになったと言う部分があるのだろうと思う。(より面倒な言い方をすれば、時間当たり給与の上昇は、労働時間を増やして給与を増やすことの限界効用を逓減し、その結果、労働を減らして余暇を増やす選択が合理的となったのだろうと思う)

医局が崩壊し自由市場化した医師転職マーケットは拡大を続けている。そして、医師不足を反映して給与の相場は上がり続けている。にもかかわらず、需給のミスマッチは解消されず、医師不足は改善していない。多分、その理由は右下がりの供給曲線にある。

ひょっとしたら、これが、医療の労働市場において、うまく市場原理が機能しないことがある原因のひとつではないかと思ったりしている。

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コメント

先生と違って、有能でない、交渉力が無い医師が余計労働強化されているのではないかとちらちら感じる。

先日厚労省の資料で医師等の給与調べてみました。

地方公務員の共働きのほうが勝ちです。

投稿: えりお | 2010年3月 4日 (木) 14時44分

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