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medsmcへの思い

僕は、医者としては少々変な経歴を歩いてきました。

元プログラマで、それから医者をやって、しかし、医局の人事の中からドロップアウトしてしまいました。なんというか、大して優秀な医者でもなかった上、医局の社会にも馴染めなかったからです。

その後、僻地医療に少し関わっていたのですが、プログラマで医者でもあるという奇妙なキャリアを買われて、ゲノムデータの情報処理に関連した大規模な研究プロジェクトに拾われ、出身の大学とは違うものの、大学の社会に戻ってきました。

しかし、その研究プロジェクト、はじめは威勢が良かったのですが、運営があまりうまくいかず、ほとんど実績を上げないまま事実上破綻してしまいます。そして、破綻したプロジェクトのために任期付採用だった僕は、大学での仕事を失ってしまいました。

なにもしないでいるわけにも行きませんから、破綻した研究の代わりの研究として、なんとか自力でプライマリケアのための医療情報処理について研究をスタートさせました。とはいえ、大学では満足な給与がもらえる身分ではなくなってしまいましたので、糊口をしのぐため東京近郊で「何でも屋」の医者をするようになりました。

その結果、医療情報とプライマリケアを活動の中心にするようになり(また、変なソフトウェア会社を作ったり倒産させたりしながら)、それなりに苦労しながらも、現在に至っています。

変な経歴ですが、この経歴、僕なりにスジは通っているつもりです。僕は、大病院で大きな病気の問題を解決するよりも、普通の街の中の普通の人の健康の、小さいけれども重要な問題を解決することに興味がありました。同時に、僕は、数学やコンピュータのソフトウェアが好きでした。だから、小さいけれども重要な健康の問題の解決のために、数学やコンピュータサイエンスの知識を使って役に立ちたいと思ってきたのです。

今でも、その目標のために、少しずつ前に進んでいるつもりです。

大抵の医者は、僕よりもずっと安定したキャリアを積んできていることが多くて、だから、自分みたいな変な経歴の医者は、あんまりいないだろうと思っていたのですが、最近、twitterをはじめてみて考え方が変わりました。

世界は僕が思っていたよりも遥かに広くて、いろんな考え方の、いろんなキャリアを歩んでいる人たちがいます。

医療に関連した世界だけでも、沢山の人が、現在の医療の問題点について自分なりに悩んで、それを解決しようと試行錯誤しています。

自分なりの新しい臨床の方法を作り上げようとしていたり、会社や団体を作って自分なりの活動をしていたり、様々な分野の知識を応用して医療従事者の相談にのったり、そういう人がいっぱいいます。中には怪しげな人もいるのですが、多くは実に優秀で誠実な人に見えます。

そういう人は、たぶん、普通の医療の立場から見たら、十把一絡に、みんな、「変な医療者」なのでしょう。

twitterでは少なくない「変な医療者」ですが、もちろん、医療界の主流ではありません。たとえば、 twitterでは人気のある、地域医療や家庭医療、心療といったテーマは、現在の医療の中では、変な医者がやりたがる怪しげな分野です。百歩譲ったとしても、現代医学の中心から外れた非主流分野です。そして、主流の分野から見ると、なんとなくネクラなイメージが付きまとう分野なのです。にもかかわらず、twitterでは変な人が多いのは、「変な人」に新しもの好きが多いからでしょうか?

twitterの「変な医療者」たちが、試行錯誤の末にたどり着いたテーマが、しばしば、現在の医学の主流から外れた分野になりがちなのは、偶然ではないように思います。なぜなら、「変な医療者」たちが悩んでいるような問題が発生した理由の一つが、まさに、そういう分野を非主流扱いすることのように思えるからです。

医療にとって重要にも関わらず非主流であるようなテーマを公開の話でつぶやくことで、変な医療者達は、王様は裸だと公言しているようにも見えます。そういう情景を見て、僕は、ここ1ヶ月ほど、 twitterは、医療界の古い権威を壊すのではないか、そして、いわゆる医療崩壊の後の、現在の医療システムに代わる「何か」を意図せずして作り上げていくのではないか、そういう風に考えていました。

こんな面白そうなことに参加しない手はありません。医療と健康に関して、これまで、どういう活動をしてきたか、これからは、どういう活動をしていきたいか、いろんな経験や考えかたを、他の変な医療者達とシェアして、また、医療のために役に立つような何かを目指して、大きな負担にならない程度に、皆で少しずつ汗をかき、成果を共有するようなクラブに参加したいと思いました。

そうして、立ち上げたのが、このmedsmcです。変な医療者歓迎します。
もちろん、変でない医療者だって歓迎です。

皆様、よろしくお願いします。

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コメント

わたしがぎんちゃんに呼応して#fsmcを行っているのは情報の地産地消をしたいから。地方にもいろんな分野で力をもっている人とちいっぱいいます。自分の後輩は音楽をやっているのですが地元でやるより中央でやる方が客が入るそうです。

何故かって言えば中央に情報集中するから。

コネ地縁、物理的制約のなか実力がある人達の情報を
地元の人間が発信して地元で評価したいと思います。

中央から決められる情報で右往左往するバカみないな
文化は排除したいです。

その一助になりたくて力を持っているけどITができない人
達のお手伝いしたいと思っています。
彼らに情報を発信する力をつけるまでサポートしたいです。

先日地域の商店街で活動する人たちにあってきましたが
手詰まりです。何をやって良いか分からないようです。

私なりにいろいろ提案してきましたが、全体的に
年配の人達が多いので地域の医療機関を商店街の
仲間と位置づけて無料で血圧測定健康相談など
すぐにでも出来る活動を提案してみました。

医療機関が商店街と考えたことなかったようで
面食らってましたし、まだイメージが出来なかったようです。
またノスタルジーよろしくサービスより商品を売るのが
商店街、それも若い人達が集まることを願っているの
があきれます。

自分が街おこしで地域を変えようと大きなことは思いませんが
すくなくとも情報の流れを変えたいと思っています。
情報格差が地域格差だと認識していますから。

そのなかで各地域のsmcの活動が教訓になればよいし
また某らの連帯になればいい。

また雲師匠がついくったmedsmcみたいに産業ハッシュタグ
地域ハッシュタグあるいは職域趣味のハッシュタグを絡める
ことで可能性は広がると思っています。

そのぶんハッシュタグの整備管理はちゃんとする必要
を感じています。

私がおもうに、しばらくmedsmcは雲師匠のバランスで
運用した方が良いと思います。いろんな人の意見を反映
させるよい思い切ってひとりで運営を考える方がてっとり
早いです。そのかわりいかさまな使い方している人に対しては
きびしく反論しましょう。

もちろん医療経営部門であやしいコメントをハッシュタグ
つけてツィートしたら私は容赦しません。

というのもそう思う教訓が私にはあるからです。

おかげさまでfsmcに賛同していただける方が
数名いらっしゃいます。

そしてあの手この手をつかって増やすつもりです。

投稿: えりぉ | 2010年4月14日 (水) 01時11分

ソーシャルメディアを使った「まちおこし」ですね。よくわかります。えりおさんの北九州での活動と熱意、すごく羨ましいです。

僕も頑張ります。

投稿: medicalcloud | 2010年4月14日 (水) 14時56分

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